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バクマン。156ページ「余裕と修羅場」から考える労働観(週刊少年ジャンプ2011年50号)。

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 このエントリは、週刊少年ジャンプ連載の『バクマン。』の第156回を読んで感じたこと、仕事との接し方、仕事への時間の費やし方に対して考えたことを書きました。

バクマン。 15 (ジャンプコミックス)

バクマン。 15 (ジャンプコミックス)

 思うに漫画制作は、芸術活動という面もありますが、同時に厳密な締め切りがあり、ビジネス的な色合いも強いと思います。特に週刊連載だと(合併号などを除けば)、週に1回締め切り(納期)がある訳です。時間をかければかけるほど、ストーリーも作画もクオリティが高くなっていくのは当然ですが、締め切りを破ってしまえば、全てが水泡にきします。

 今週のバクマン。は、漫画制作に関する芸術面・ビジネス面を考えさせられるのと同時に、マンガ制作の関わり方、ひいては、仕事に対する関わり方を考えさせられました。アシスタントチーフの小河さんVS森屋さんの対立構造でそれが見えてきます。


 チーフの小河さんは、アシスタント業を非常にビジネス的に考えています。これは、彼が妻子のある身(子どもが3人!)で、また、漫画家になることは随分前に諦めていて、プロアシスタントとして生きていくことを選んだからでしょう。また、結婚されてからは特に家庭の部分のウェイトも大きいみたいです。だから、漫画のクオリティを高める気持ちもありながら、スケジュールであるとか、仕事場を去る時間というのを、非常に気にされています。


 対して、森屋さん達は…紅一点の加藤さんは(冗談交じりに)言っておられますが、「独身である」ということで、時間の都合もつきやすいみたいです。実際に、週刊連載と月刊連載の切り替えと平行で、スケジュールが立て込んで来た時に、彼らが選んだ手段は、徹夜もじさない…ということでした。つまりは、残業ですね。根性論の印象が強いです。


 作中でアシスタントさんが時給なのか日給なのか、今回は、出てきてませんが、以前あった説明では「日給」だったように思えます。その給料形態だとして、森屋さん達のように残業を選ぶ…という選択は、どのように思えるでしょうか?時給だとしたら、かけた時間の分、彼らの収入は増えるのですが…日給だとしたら???亜城木先生達の人柄を考えたら、『寸志』という形で、報酬は出るかも知れませんが???仕事に対して、お金の話題を出さないのは、日本人的だと思います。


 亜城木先生、サイコーさんのために頑張ってくれる彼らですが…厳しい言い方をすれば、スケジュールが遅れ、修羅場と化したのは、亜城木両名、特に、作画に関しては、サイコーさんの責任が大きいです。作業量よりも、クオリティの方を優先させた…という描写も見てとれます。漫画制作における芸術性とビジネス性のせめぎ合いですね。また、アシスタントさんの増援策に対して、プライドを優先させている節も見てとれます。

 なので、雇用主が仕事の調整がつけられなかった穴埋めを従業員達がやる…みたいなことが、今回起きた修羅場だと思いました。それを一蓮托生で乗り切る…というのは、非常に美しい労働観に思えますが…かなり嫌な言い方をすると『社畜』というモノに近づいていくと思います。非常に悪い言い方をしたら…ですが。


 さて、根性で乗り切ろうとするサイコーさんや森屋さん達に対して、チーフの小河さんが颯爽と行ったのは、自分の時間を費やすのとともに、ヘルプのアシスタントさんを増援するということでした。仕事場を出てからも、彼は、仕事のことを考えていた訳ですね。ヘルプさんが登場と同時に、「気にしなくても、お金貰いますよー」ということを、言っているのが印象的ですね。仕事とは、お金である…と。また、小河さんもプライベートの時間を仕事に使っていた訳ですが…「今後はこういうのやめてね」という旨を、自分の家庭事情とあわせて、サラっと言っています。非常にスマートな人だなーと思いました。


 そんな訳で、こんな感じに、仕事との付き合い方を考えました。ストーリーに、小河さんがヒーローになっていますが…途中の森屋さん達の考えに、特に、「決まった時間に帰る人を非難する」ということに共感を覚えたら…ちょっとだけ、ヤバイ気がします。漫画制作という遠い仕事じゃあなくて、自分がやっている仕事と置き換えて考えてみれば…例えば、仕事が済んで定時に帰る人のことを悪く言ったり、先に帰り難い雰囲気があったり…。仮に仕事が済んでなくとも、約束された時間に帰ることに対してどう思うか?とか。貴方は森屋さん?小河さん?みたいな。

 ちなみに、私の会社員時代の末期は…仕事の量にビビって(無報酬で)自主的に休日出勤をしていたりしたので、多分、森屋さん達側に近かったと思います。自分でも、仕事の恐怖に飼いならされた社畜だったと思います(笑)こまねち。