俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!第43話。
「俺は、そっとトイレから出た。」
弥勒菩薩マサルは、静かに呟いた。やはり、間違いなく、夢ではなく、この異変は起きているようだ。自衛隊っぽい人々が通り過ぎると、廊下は静まり返っている。他の生徒達はどこにいったのだろうか?自分がトイレで格闘している数時間の間に、異変はさらに進行したのだろうか?
マサルは、ともかく自分のクラス、2年B組に戻ってみることにした。こういう時に、自分のクラスの事が気になるのは、帰巣本能みたいなモノだろうか。ほぼケンカ別れの状態になっていたクラス委員長の山田錦正嗣のことも気になっていた。生きていて、欲しい…そう思った直後に、戦慄した。
廊下を闊歩する奴らは、銃を持っていた。あれが、モデルガンということは、きっとないだろう…。もしかしたら、既に何人かの命が…その可能性すら、あるのだ…。
「正臣米は、正臣町民に限らずM県民にとってはソウルフードであることは君も知っているね。」
今は、誰もいなくなった校庭を眺めながら、テロリストのリーダー、大宮政次郎は言った。
「え、ええ。」
その話が何?と思いながら、仁和寺マサコは、頷くしかなかった。
「だからこそか、その米を巡って、数多の争いが、血が流れたモノだよ。全く、こめったモノだよ。」
…これは、ダジャレではない…。正臣町民なら誰でも知っている。そう、正臣神社の神官の家系にのみ伝わる、最重要級の詔…。まさか、そんな、この男が…。一体、何が起きようとしているのか?
続く。
ルール。
- ブクマコメントで展開希望があったら、それに習って進んでいく。
- なかったら通常通りに進んでいく。