俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!第66話。
「俺達はただのテロリストだと思っているだろ?」
「眠い。」
吉祥寺マサコは、ともかく眠かった。思えば、朝から今日は変な気がしていたし、昼頃に登校したら、クラス委員長達が、どんどんと魔の職員室に吸い込まれていった。そして、その後は、テロリストに捕まってこの有様だ。あの時に何があったかは、もう忘れてしまった。
「この街には、普通の住人の他に、神官と呼ばれる家系の連中がいる。そう、正臣神社を始祖とする一族だ。」
「眠い。」
用具室の戸を挟んで、見張り役の羅漢果雅吉は饒舌に話していた。いったい、彼を駆り立てるモノは何なのか?マサコは、ぼーっとして、聞いている風を装いながら、うつらうつらしていた。
「この街において神官とは、神田(しんでん)を管理する者たちだ。そして、そこには、勿論、正臣米の存在が大きく関わっている。わかるだろう?駅の名前にもなっている、あの稲荷寿司さ。」
「眠い。」
眠い上に、お腹も空いてきた。正臣稲荷。最近、食べてないな。具は、各人が思い思いのモノを持ち寄って、そして、餅米なんかを混ぜたりして、もっちりとしていて、美味しい感じで…。
「これ以上は、詳しくは言えないが、我々の目的は、この街の歴史に大きく関わっているのだ。」
「おこわ。」
「は?」
マサコは、ついに言葉に出してしまった。おこわ。それはつまり、餅米を使った炊き込みご飯のようなモノだと思って頂きたい。人類の歴史の中では些細なことかも知れないが、睡眠欲を食欲が凌駕した瞬間だった。
「…お前は、なぜ、それを知っているんだ?」
偶然発した言葉が、テロリストの琴線に触れてしまった。一体、何があったのか!?そして、その頃、本醸造マサルは、何をしていたのか!?
続く。
ルール。
- ブクマコメントで展開希望があったら、それに習って進んでいく。
- なかったら通常通りに進んでいく。