俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!第22話。
マサコとマサルが、正臣中学の校舎に入ってから三十分。守衛の将彦氏が消えてから、二時間。正臣稲荷駅で、不審なジープが確認されてから、三時間経ち、十二時五十分。五時間目の授業が開始された。科目は、数学だ。
マサコは、小学校の時のランドセルを背負ってきていたので、算数の教科書とノートを広げたが、本人はそれに気づいてない。ただ、隣の席の、昌元亜希子は、それをちらりと見て、「うぷぷ」と笑っていた。
もちろん、マサコにとっては、それが問題になるはずものなく、教科書などなくても、中学の数学の範囲は全て学習済みだった。いや、既に知っていた…という表現も近いかも知れない。
ちなみに、亜希子の方は、遅刻もしない。授業も寝ない。テスト勉強も頑張るけど、成績は全然良くない感じで、なんというか、特有の痛々しさを持っていた。
だから、亜希子は、マサコのことが嫌いだった。同じ陸上部だから、表面上仲が良くしていて、今は席も隣だから、時々話したりするのだけど、それでも嫌いだった。憎んでいた。
もしも、同じ写真に写ったら、その写真は焼き捨てるし、小学校の卒業アルバムも、全てマサコの顔写真は、黒マジックで、×がしてあった。そう、本当に嫌いなのだ。虫唾が走りすぎて、麻酔なしで親知らずを抜歯できるレベル。
しかし、そのような憎悪が、彼女の人生を不幸にし続けたことを知るのは、彼女が他界した後だった。
そのような黒い思念が方々で渦巻く中、確実に進行している異変があった。そう、授業が開始されない。一体、何があったのだろうか?
続く。
ルール。
- ブクマコメントで展開希望があったら、それに習って進んでいく。
- なかったら通常通りに進んでいく。