ラケットマン(矢成ヨウ/WOOMA)バドミントン読切漫画感想。試合中の怪我は不可抗力。怪我の弱点を攻める負の側面。誰得?爽快感はない。もっと悪に振り切っても欲しかった。
ラケットマン(矢成ヨウ/WOOMA)バドミントン読切漫画感想2024/8/21に書いておりました。
バドミントン漫画と言えば、アオのハコが絶好調だけど、そもそもジャンプでは扱われることが少ないテーマ。ネットの反応を読むと、前の読切もバドミントンらしい。
私は、高校時代に少しだけバドミントン部だったので、それなりに思入れがありました。
試合中の怪我は不可抗力。
主人公同士の試合で、一人が片目にスマッシュを受けて怪我するわけですが、故意に狙った訳ないですし、ラケット競技で、顔面に直撃をくらうのは、レシーブできないのが悪いんじゃね?と思えます。
例えば、転倒した相手に故意に顔面を狙ったなら、打った方が悪いって話ですが。
怪我の弱点を攻める負の側面。
スポーツ、ラケット競技などは「性格が悪い奴が強い」という部分はあると思います。相手が片目を負傷したら、視界が悪い方を狙うとか。
それを描くのが少年漫画か?と言えば分かりませんが、漫画の中で描く題材としては、アリだと思う。
誰得?
スポーツで相手の怪我を喜んだり、負傷でできた弱点をつくとか普通にあると思うけど、その負の側面を題材にした狙いが、漫画的ショッキングさ以外に感じない。「何で、こんな暗い話を読まないといかんの?」と思う。
あるいは、性格が悪いスポーツをやってきた人がこの読切を読んで得に思うのか?
爽快感はない。
暗い話題を扱っている割に、最後まで読んでの爽快感はなかった。怪我した方も、さわやかさはなく、幼馴染という関係性も含めて、嫌な感じだ。共依存という言葉が思い浮かんだ。
もっと悪に振り切っても欲しかった。
狙って、片目を潰しに行ったとか。あるいは、たくさんのラケットを持っている主人公(怪我させた方)の持っているラケットが全部焼かれるとか。
バドミントンおよびスポーツの性格が悪い奴が強いという負の側面と、共依存幼馴染というキショい関係を描きつつ、カタルシスや爽快感もなく、じわっと嫌な気持ちになる読切。
それが狙いなら成功しているけど、そんなことを狙うな!と思いますね。読んでバドミントンをしたいとは思わない。面白い読切でした。