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悪魔の口の中(九淵一真)感想『超絶激重百合漫画は圧倒的書き込み量に作者のパトスがほとばしる』ジャンププラス2024年【ネタバレ注意/ジャンプ+漫画賞春期】 #WJ

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姉妹百合地獄読切は暗くて重い。他殺強要悪魔ルール。姉妹の確執。妹の地獄慚愧。女学校社会の息苦しさ。根性のハッピーエンド。されど、いじめ加害者への報復はない。

姉妹百合地獄読切は暗くて重い。

どういう訳か、ボタニカル読切と同日にジャンププラスに掲載された読切も、ハードな姉妹百合であった。悪魔が題材なのもあるけど、作者の情念が呪術レベルであった。タイザン5を連想した。

百合姉妹が悪魔と出会う話だけども、とにかく雰囲気や絵が地獄のように重く、暗い。

他殺強要悪魔ルール。

なんらかの事件が起きていて、その原因が悪魔。閉じ込められた世界から出る条件が他殺。若干、舞台装置的であるけど、ただただ悪意があるルールが、悪魔的と思える。

姉妹の確執。

キラキラの百合姉妹かと思いきや、妹(主人公)が抱えているモノ、姉の過去が地獄だった。姉の過去は、姉妹がどうとかじゃなく、周囲の人間がカス人間。

妹の地獄慚愧。

妹の姉に対する懺悔の気持ちも、鬼のように重い。悪魔の存在がなくても、絶対に救われない。死ぬしかないのじゃないか?と、何度も思った。

女学校社会の息苦しさ。

姉は、学校で地獄のようないじめをうけて、家庭では親からのモラハラ。地獄であった。姉も救われないのじゃないか?と思えるが、その原因は社会である。

悪魔は閉じ込めただけで、外の社会に出ても、地獄は続いているのである。

根性のハッピーエンド。

最近は、バッドエンドのままに終わる読切も多いし、姉妹が救われる気が全然しないから、バッドエンドかと思いきや、何が何でもハッピーエンドに叩き込むような作者の根性と情念を感じた。

昔は、だいたいハッピーエンドだったけど、バッドエンドで終わらす漫画も増えたから、それらが前振りになっているかもしれない。

されど、いじめ加害者への報復はない。

悪魔はやりすごしたとして、姉が追い込まれた社会の悪は残り続けて、いじめ加害者への報復とかはない。なんなら、いじめは「知らない間に終わった」という過去のことになっている。

悪魔も、加害者も、消えた訳じゃないから、姉妹は明るさを取り戻したとしても、こちらの読切も同日の観葉植物妖精読切と同じく、根本的な悪は残り続けたままなのである。せちがれぇ。