俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!第15話。
正臣中学の守衛、大道寺将彦の消息が不明になった頃。正確な時間は分からないが、正臣町の玄関口。稲荷正臣駅のあたりに不安な、いや、不穏な動きがあった。
ちなみに、正臣町の駅が『正臣駅』じゃあなく、『稲荷正臣駅』であるのは、政治的な理由がある。正臣町の特産は、米。つまり正臣米である。そして、その正臣米を使った稲荷寿司。つまり、正臣稲荷もまた、正臣町の名物である。
毎年、モンドセレクションに金賞で入賞している。
その稲荷寿司をさらにピーアールするために、正臣駅が近年に改名されて稲荷正臣駅となった訳である。もちろん、地域住民からの反発は大きかった。正臣米は、わざわざピーアールするまでもなく、日本一の米であり、また、元々は、正臣神社に奉納される意味合いが強かった正臣稲荷を土産物として拡販することにも抵抗があったのだ。
土地の収入をすることが正義!と考えた、稲沢政次市長は、現職をおさえた新人市長であったが、もともとは土地の者でないために、反発は大きい。もちろん、彼が選ばれたのは、民意ではあるのだが…。
平穏な街。田舎に思えて、実は、正臣米をめぐって、住民の意思は二つに分かれている。改革派と、保守派。それは、どこの街でもそうなのかも知れないが。
その街を象徴するかのような駅、稲荷正臣駅で、不穏な動きがあったのだ…。一体、何が起きているというのか?
続く。
ルール。
- ブクマコメントで展開希望があったら、それに習って進んでいく。
- なかったら通常通りに進んでいく。