俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!第26話。
本来の授業開始から約1時間が経った。仁和寺マサルも、ようやく異変を感じ始めて…いなかった。延暦寺マサコに一定の信頼を得ていた彼だが、授業が始まらないのであれば、と友人とお喋りをしたり、ちょっと物思いに耽っていた。
ちょっとした想像が、妄想となり、それは、瞑想の域に達したのかも知れない。マサルの心の中に、一条の光が現れた。それは、意識の中では、ちょうど、眼球の裏からおでこくらいにあたる部分だろうか?意識の中の小さな自分の前に、そのお方は降臨されたのだ。
「お、お釈迦様?」
「いいや、菩薩やで。」
そんな会話がされたとか、されないとか?一体何が起きているのかマサルには分からなかったが、精神世界における神との対話。仏との説法を聞いた。その中で、マサルは、この正臣町と、正臣稲荷に関する因縁を聞いた。
そうか、毎日、給食で当たり前のように食べている。中学の回りに広がっている田んぼ。そこで生産されている正臣米には、そんな歴史があったのか。それは、血塗られた歴史と言っても過言ではなかった。
「なんと、業が深い。ディープ・カルマとはこのことか。」
「違うで。」
そこで、釈迦との説法が終わった。無限とも思えた時間だったが、こちらの中の時間では、ほんの数秒のことだったらしい。覚醒し、クラスを見渡した時、仁和寺マサルは、自分がどこにいるのか分からなかった。
「今、この瞬間から、新しいオレが生まれ続けている。」
静かに、そう呟いた。
続く。
ルール。
- ブクマコメントで展開希望があったら、それに習って進んでいく。
- なかったら通常通りに進んでいく。