数年前に買って、あまり読み返してなかった、白井弓子先生の『天顕祭』を読み返すと、昔に読んだ時と、随分と感じたことが違う…と思いました。
この作品の中には『フカシ』という目に見えない毒物が出てきます。それに関しての感じ方が特に…。私が買ったのは、2008年9月の第4刷だったみたいです。
- 作者: 白井弓子
- 出版社/メーカー: サンクチュアリパプリッシング
- 発売日: 2008/07/26
- メディア: コミック
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作品世界は、『汚れた戦争』により、『フカシ』という目に見えない毒物、つまり、不可視の毒物に汚染された日本(によく似た国?)です。戦争が起きたのは、100年以上過去のことで、現在は、汚染地に生えてきた竹が、毒を吸い込んで浄化してくれるという感じです。
成長した竹は、焼却して、灰を生態系から隔離することで、自然を浄化していく…ような。この竹や、灰等々を巡って…。
- 汚染レベルが1〜4くらい設定されていて、レベル1でもマスクが必須。
- 竹の伐採は、日雇い労働者が集められる。健康面の配慮から、30歳以上ぐらいの人間が好ましい。
- 主人公は少年の頃から、潜り込んでいた。
- 日雇い以外にも、高齢者は「国への奉仕」として竹の伐採に参加しなければならない。
- 竹炭の廃棄や、高レベル下でも作業は、時間が厳密に区切られている。
- 竹伐採に長年従事しているとフカシにより身体を蝕まれる。
- 廃棄された竹炭以上にやばい何かがある(作中でそれが明かされない)。
というような部分は、2008年には、ふんふんと読み流していた感じがします。それから、想像されるのは、ソレしかなくて、そして、人の集め方とか、作業環境とか、父親から聞いたことがあったりしたもので…。
3年一昔的に、ちょっと前の作品なんですが、最近、読み返すと、きっと、当時と違う感想が出てくるだろうなぁ…と。後、ジャンプ感想という連載中の漫画を読む事が一番多いですが、コミックス1冊で完了するストーリーは、良いな…と思いました。ジャンプでも、5巻くらいで完結する作品が増えて欲しいと思うのですが、商業的に、難しいのでしょうね。
話がそれましたが、なかなかのコミックスです。持ってない方は、買っておいて損がないのじゃないかな…。私も、身近な知り合いがいれば、是非、貸してやりたい!と思いました。他にも感想は書けそうな気がしますが、また、機会があれば…。
こまねち。