俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!第2話。
「垢運孔ちゃん、早く起きなさい。」
中学になったのだから、もう、「ちゃん」付けはやめて欲しいのだが、春からずっと「ちゃん」付け。覇手那垢運孔。俺の名前。日本人としては珍しい名前だけど「清浄なる土地」という意味があるらしい。あまりにも突飛な名前なので、マサルと呼ばれている。
いや、本当は勝鬨マサル。俺の名前。最近、DQNネームがアホ親達で流行っているなんて話を聞いて、母親が真似てみているらしい。母親の方がおかしい。頭が。しかし、その事実は、きっと、言うと怒る。だから、心の声で留めている。
やっぱり、世間知らずで結婚した母親は、頭が、そこはかとなく腐ってるね。
なんて言える訳もなく。ゆくゆくは、このままじゃ、マザコンとか言われてしまうのだろうか、俺は?そんな風に思える。やれやれと、台所に向かう。
「朝ご飯は?」
母親が言う。
「いい。」
俺が言う。
「ご飯は大盛?」
「いや、『いい』って、そういう意味じゃあなくて、いらないって意味。」
こんなやりとりが、もう何年も続いている。しかし、この時はまだ、明日もこんな日が来ると思っていたし、母の持つ茶碗が今日の終りにはコナゴナになっていることは、想像もつかなかった。
続く。
ルール。
- ブクマコメントで展開希望があったら、それに習って進んでいく。
- なかったら通常通りに進んでいく。