俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!第56話。
辛いことがあると、いつもトイレに逃げていた。富士山麓マサルは鍵っ子だった。フジッコではない。両親は共働き。姉はいない。妹も、兄も、弟もいない。そう一人っ子だった。
小学生の時は、通学路にいる犬が怖くて逃げ帰り、家に入るにも、鍵がポッケからなかなか出てこなくて難儀したり、同時に死神の便意と、悪魔の尿意に苛まれたりした。
トイレ。それは、安息の場所。
トイレ。それは、安寧の場所。
トイレ、トイレ、トイレ!
トイレなんてウンザリだ!そう思った次の日も、マサルもトイレに行ってしまうのである。そう、わらしべ長者大作戦(笑)が瓦解して、傷ついたマサルは、またも、トイレに向かおうとしているのである。
いいのか!?マサル!?正臣町の未来と過去は、君の双肩にかかっているんだからね!もしも、神様がいたとしたら、そう言っていただろう…。
神様!
その願いが通じたかどうかは分からないが、マサルが本校舎1階B地区(これはテロリストが決めた区分だが)のトイレに入ろうとした時、一人の隊員がトイレに駆け込んだのである。
駆け込み寺?ではない。
マサルは、さっと身を潜めたが、隊員はトイレの出口に自動小銃MS-8989を立てかけて入っていった。そう言えば聞いたことがある。統制がとれた軍隊では、トイレに小銃を持ち込まない。なぜなら、ブルっとなった時に、暴発する危険があるし、なにしろ、水気は銃の大敵なのだ…。
交換する藁を持たずに、一気に小銃が手に入る。これは、チャンスだった!
続く。
ルール。
- ブクマコメントで展開希望があったら、それに習って進んでいく。
- なかったら通常通りに進んでいく。