ラブコメの夢を見る。昔好きだった子にプロポーズされる。幸せすぎる夢。叶う訳ない夢。誰かが叶えた夢。独身で俺が死んでも誰も悲しまないのだから、もっと気楽に生きていきたい。
ラブコメの夢を見る。
アルバイト労働に体力的な限界。疲労の蓄積や回復のことを考えると、トレーニングするしかないと思えた。
実際、筋トレとかはバカらしいから、運動している樣子をスマホで撮影することにした。とりあえず一分間走る。走りスマホ。
それで、血流がよくなったせいか、なんだか、久しぶりに幸せな夢を見た。セロトニン。でちゃってたかも。
昔好きだった子にプロポーズされる。
多分、20代後半くらいになっている。昔、死ぬほど失恋した女の子とデートに出かけた。
デートにだかけた上に、共通の知り合いとか、なんだったら親とかに挨拶して、相手の方から「結婚してください」と言われる。
私は、「ちょ……ちょちょちょ、まってまってまってまってまってまって……」とパニックになっている。イエスしか答えはないけど、展開のスピードに感情が追いつかない。
幸せすぎる夢。
目が覚めて、良い夢見たなあ!と思った。幸せすぎ。しかし、目が覚めてくるにつれ、それが夢であることが分かるし、私は、もう20代じゃない。
叶う訳ない夢。
中年になった今、夢に出た女の子とラブコメできるか?と言えば、もう出来ないだろう。そういう感情を出さないから、だましだまし、人間関係は続いている。
だけど、恋愛には、もうならない。
誰かが叶えた夢。
俺には、もう無理な夢だな……と思いつつ、俺じゃない誰かが叶えた夢だったんだな……と思えた。バカみたいだけど、そんな風に考えたことはなかった。
俺は、もうラブコメの主人公にはなれない。
独身で俺が死んでも誰も悲しまないのだから、もっと気楽に生きていきたい。
独身ってのは、既婚者や子持ちが抱えている責任がない。子持ちししゃも。責任がない割には、全然、楽しい日々を送っている訳じゃない。
自殺なんてバカバカしい。やるなら他殺。そんな風に考えるけど、自分が死んでも、具体的に困る人はいない。社会との関わりが薄いってのは、生きている責任すら、軽い。
だったらならば、もっと楽しく生きていてもいいのじゃないだろうか。責任って、何だろう。
好きなことを、好きなだけやって、それで死んでもいいのじゃないか?最終的に、そう考えた。もう、ラブコメとは、程遠い思考。